”おまけ”の楽しさ

敷地の形状が東西に細長くて、道路に面した東面が6m弱、京の町家のような感じです。
大変工期が伸びて、ご迷惑をお掛けいたしましたが、やっと4月14日にお引渡しの予定です。
お客様もとても楽しみにされています。
  

金川駅近くに建てている現場ですが、自然に足が向く感じで、本当に良く通いました。
Nさんご家族のお人柄の良さに、いつも“心地よさ”を感じ、自然に頑張ってしまいます。
お父上80歳のお祝いに“家”をプレゼントされた息子さんご夫妻。
親にしてもらうことが当たり前のこの時代に“素晴らしい”の一言につきます。
  

いつもの事ですが、設計も頑張りすぎて、今回は特にオーバーヒート気味。
でも、勿論気が付いてない箇所もあります。
今になって、気になるのは、小屋裏へのアプローチです。
  

先日の打ち合わせの折、少しご予算を組んで頂きました。
小屋裏へのアプローチに足場板やヌキ板(比較的安価な1等材)で床や壁を創りました。
デザインだけでなく機能的にも意味を持った“おまけ”が出来ました。
多分お孫さん達も喜んでくれる楽しい空間となると思います。
  

少し建築的に申しますと、斜めの登り梁に水平材をプラスしました。
それは開き止めと水平の剛性をとる為です。
その結果として、強い火打梁が組まれて天井吊木もおさまりが良い。
そして、今回の床組が可能になりました。
  

道路に面した間口が狭いので、外観のデザインが弱い。
ひとつ目は外観をデザインすること、ふたつ目は建物の内から張出したベランダの保護、また、東の日差しはとても強いので、軒の出の深さは大変有効です。
色々な意味を含めて、東面は登り梁に、西面は登りの天秤梁のデザインに決定しました。
日本の気候風土を考えるとき、屋根、軒の出が家の寿命を大きく左右します。

 

竹田 成太