内部の塗装について

完工2、3週間前には、設計図を片手に全体のイメージを思い出しながら、塗装をどのようにするか再確認に行きます。
仕様書では大体のイメージで捉えている箇所もあるので、業者の方に詳しくお願いする為でもあります。
ここは、“塗るべきか”“塗らない方がいいのか”、お客様の状況によっても違ってきますし毎回考えさせられます。
  

僕としては、結構いい材を使っていますので、最低限の塗りにしたいと思っています。
昔ながらのお手入れ方法、乾拭き、たまにぬか袋で拭く。
今の時代には難しいこととは思いますが、それが最良の方法で経年変化を楽しむことが出来ます。
  

勿論、室全体を磨くわけではありません。
例えば、創商アトリエの和室。
20数年前に改装した室ですが、床はオスモのフロアークリアを自分たちで塗りました。
あとは、地袋の天板と床框を“櫨蝋(はぜろう)”を塗っています。※櫨蝋とはハゼの木の実からつくる蝋です。
蝋引きは僕の得意分野です。その他は、全然塗装はしていません。
  

日頃の手入れとしては、1~2週間に一度、20分から30分程度お掃除する程度ですが、20数年の時を経て“しっとりとした”いい空間になっています。
 

竹田 成太