暮らしてみて

モデルハウス「和日の家」の水回りをリフォームしてから丸一年半になります。
たびたび出入りはしているものの、「そうだ、暮らしていなかった。生活してみよう!」と思い立ち、先日、設計スタッフとお弁当を持って行ってランチタイムを過ごしました。
  
今回、少しの時間ではありましたが、暮らしの中で感じるのと、ただ座って見るのとでは大きな違いがあることが改めてわかりました。
  
まず、キッチンに立って食器を洗っているときにキッチンの北隣の家事室との境に設けた引き戸一つとっても、この「間」が日本建築の良さだなぁとしみじみと豊かな気持ちになりました。
  
ダイニングで僕はテーブルの南側の椅子に座りました。
その場所は北のキッチンもリビング全体も見えるのです。
  
北側のキッチンを眺めると先ほどの引き戸(透明ガラス戸)を通してそのまた向こうの大きな窓から「木の蔵」が見えます。
また、床に目を移すと、縦方向に貼ったナラ材が底艶をたたえています。
この幅広杢板のナラ材は、今までお客様のお家で何件も使わせていただいた残り物なのですが、この広くないキッチン~家事室の床にしっかりとなじんで目に優しい光を放ってくれています。
  
リフォームしてから今回のような気付きは初めてでした。
また、来週もお弁当を持って、違う椅子から違う風景を見てみたいと思っています。
  

竹田 成太